7月2日

デモに行ったりしていた。

色々と考えたこともあり、桜井さんはじめ色々な方と少しずつ話した。

しかしまだ誰にも言っていない、ことは、

国会議事堂の近くの駅を出て、外務省、など見て

ここに日本の中枢機関があるのに、自分はさまざまに問題があるときに

どこに怒鳴り込めばいちばん効果的に迷惑をかけられるか、

知らない、ということに気づいたことだった。

たとえば国防政策に腹がたっても

防衛省の場所を、僕は知らない。

 

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なんでもいいから尖ったものをかせ
さっきから、昨晩から、頭がわれるようにいたい
原因はわかっている
酒のせいだ
酒を飲みすぎたのになにもしなかったせいだ
酒を飲みすぎるようなことをしたせいだ
酒を飲みすぎたのになにもしたくなかったせいだ
酒を飲みすぎるようなことをしたくもないのに
気がついたらさせられていたせいだ
そのことを自分のことだと
思うのに時間をかけすぎたせいだ
右斜め上から鋭く白い直線が差している
なんでもいいから尖ったものを突き刺してこれを止めたい
こめかみで反射して頭蓋骨が泣いている
防音がきいていて外からは聞こえない
部屋内では扇風機がまわっており
なんでもいいから尖ったものを突き刺してこれを止めたい
湿度はぐんぐん上がっていく
風を入れ替えようと夏で
この国はいつからかこんなにもへばりつくよう
皮膚と空気のわかれめがない
なんでもいいから尖ったものを用意して
突き刺す先がないので板を貼り付けて
マジックで、極太のマジックが細いので何度も書き重ねて
いく言葉が見当たらなくて、下書きを
するための紙がコーヒーの
座ったまま飲み重ねたコーヒーの、
跡がついている紙は白いとは言えない
その紙をわたしは縫う
針と糸で縫う
やぶれても構わないので、針で
太さもなんでもいい細くてもかまわないので
百円均一の店に行って
裁縫セットを買う
105円払うことを
忘れてポケットにしまう
そうして肌に張り付いて
張り付いた肌のなかでも
いちばん骨が突き出たところで
わたしはこの国を殴る
この国といってもこの部屋の空気だ
隣人に泣かれないように
ゆっくり静かにわたしは殴る