3月29日 午前

荷物が出て行くのを待っている、迎えに来るのを待っている。

あと僅かな時間しか山口に住んでいないのだから、挨拶にでもまわれば、とも思うのだが、こういうときに限ってなにかしら書く。部屋が片付いたからかもしれない。だったらば常日頃から片付けておけとも思うのだが、つまり、片付けたくなかった、書きたくなかったのかもしれない。

遅れていた仕事にいちおう、かたをつけた。と、いいたいところだが、あとひとつどうしても年度じゅうに書いてしまいたいものがあって、明日明後日はそれを書くようにと思っている。

 

わりあいにすっきりした部屋で、窓を開けて床を拭いてしていたらもちろんえらく汚れていて、それは思った通りだったのだが、ひとしきり拭き終わったら、手荷物のうえに杉かなにかの花粉が積もっていたことに気付いた。なかなか掃除が終われない。

この終われなさが好ましくなく、いつも掃除を躊躇ってしまうのだ。

しかしこうスッキリとさせてしまうと、僕はいままでどれだけの杉花粉(?)を無意識に飲み込んでいたか?と考えたりもできる。という、ありがちなことを確認したりもした。

 

undermapsの展示期間中、大脇さんにとにかく掃除が大事なのだ、と言われた。あるものに関しては意図として読まれてしまうんだから、と。けれど意図にそぐわないもの、呼び込んでしまうこと、それをつまみ出すなんて、そんなこと無理でしょう、と思っていた。しばらく前は。けれどこの話をされた時はそうか、と腑に落ちた。

今住んでいる部屋は、僕の部屋として改装されたのではあるけれど、実際はスタジオイマイチのみんなが改装したのだった。僕は、上記のような人間なので、適当でいいのに、むしろちょっとへこたれていたり、汚かったり、していたほうが安心するのだけれど、と思っていた。僕がいちばんやる気がなかったと思う。

けれど、いざ帰る(今、帰る、とタイプしたけれど?どこへ帰る?なのだろう?)となってみれば、ずいぶん呼び込んだものだなと思うのだ、自分も。

 

先週あたりはえらく色んな人に送別してもらって、酒のせいか胃の疲れが抜けていないのがよくわかる。3日ほど酒を抜いていたら、自然と煙草も吸わなくなった。止めようと思えば止められるように思ったが、あんまり急なので不安に思って、一箱、買った。それでコーヒーを淹れたがコーヒーのほうが少し古くなっていて、よくない。

 

SLが鳴いていくのが聞こえる。

信じられないかもしれないが、この部屋で春を教えてくれるのはSLなのだ。